映画「グスコーブドリの伝記」タイアップキャンペーンに伴う支援金寄付と現地視察の報告
2012年6月~8月の3ヶ月間、弊社では映画「グスコーブドリの伝記」とのタイアップキャンペーンを実施しました。
この期間中にお客様が店舗にお持ちいただいた買取衣類の一部、またはお引き取りとして弊社倉庫にお送りいただいた衣類591,328.20kgに対し、弊社では1キロあたり5円を募金するという取り組みです。
そして、合計¥2,956,641円を東日本大震災の被災地で活動する3団体にそれぞれ¥985,547ずつ寄付させていただきました。
今回の寄付にあたり、弊社代 表取締役社長の岡本昭史と、弊社の被災地支援活動「ドンドンドネーション」担当である高橋など数名のスタッフで、3団体の活動拠点地を訪問。被災地の現状を視察し、今後も継続的に支援をしていくための話し合いを行ってきました。
※弊社が支援金を寄付する対象として、震災による被害が甚大だった岩手県・宮城県・福島県の3県より、それぞれ1団体ずつ選定させていただきました。
選定の基準としては、①地元に根ざした活動を震災直後から現在も続けていること。②団体の発足や活動開始直後からHP等を持ち、活動内容や活動報告が誰でも確認できること。を条件とさせていただきました。
11月27日(火)岩手県大船渡市「さんさんの会」
朝から今年の冬初となる雪の降りしきる大船渡。
この日は、弊社が震災後にインディペンデントサポートプロジェクトとしてオープンさせた「ドンドンニコニコマーケット 釜石サンパルク店(2013年1月末をもって閉店)」から、店長の松本も参加。
さんさんの会の菊池代表と挨拶をし、案内されたのは「33キッチンハウス」という施設。
さんさんの会では、震災直後から「食事」を避難者に配布する活動を続けており、次第に自立していく中、通常の食事が出来ない健康状態にある方々にへの支援に次第に特化していきました。人工透析をしていたり、毎日炊事をするのが困難な高齢者などが対象です。
被災直後は、炊き出しや一度に配布される食事ではこうした方々は食事をとることすらできず、数日間コーヒーだけを飲んで凌いでいたそうです。
33キッチンハウスでは、こうした方々でも安心して食べられる栄養食を作っています。現在は週3回、約100件のお宅へ直接配食。これには、「見守り」「聞き取り」なども兼ねており、問題点に気づいた際には食事以外の支援もお手伝いしながら活動されています。
11月28日(水) 宮城県亘理郡山元町「お寺災害ボランティアセンター」
「まだこんな場所があったのか」
今まで被災地支援をして、次第に復興する様子を見てきた我々にとって、これが山元町を訪れた最初の感想でした。
まだまだ津波の爪痕がなまなましく感じられる町は、「ようやく大きな瓦礫が片付いた」という程度で、町の片隅には山積みの瓦礫、手つかずのままの学校跡を目の当たりにした岡本は、視察しながら思わず「100万ぽっちじゃ何もならないな…。」とつぶやくほどでした。
山元町の特に被害の大きかった沿岸地域は、震災直後、民間のボランティアが入れない立入禁止区域に指定されてしまい、復興は他所に比べて大きく出遅れました。
そんな中、地元の「普門寺」をたったひとりで修理していた住職さんを中心に、口コミでボラン
ティアが少しずつ集まり、お寺を拠点とした民間のボランティアセンター「テラセン」が立ち上がり
ました。最初は何もなくて、泥をお茶碗ですくい出していたそうです。
復興が思うように進まない中、次々と新たな問題も発生し、まさに「こんなに苦しんでいる場所がまだあったんだ」と痛感するばかりでした。
この場所には、電車で30分ほどのところにあるドンドンダウンの仙台駅前店のスタッフも参加。「仙台からたった30分の場所なのに…」と言葉を失っていました。ここでも、古着を使った支援やイベントの企画など、「何か力になれることはあるはず」と、住職らと色々お話させていただきました。
11月28日(水)福島県二本松市「まちづくりNPO新町なみえ」
福島県二本松市は、原発事故で町ごと避難をしてきた「浪江町」の中央機能がある場所です。これまで訪れた、津波による被災地である2県とは大きく事情が異なります。
かつて2万1千人だった町民は、1万7千人がこの二本松市に避難、4000人が全国45都道府県にそれぞれ避難しています。それでもいつか自分たちのふるさと浪江町を再生させたいと願っている人たちの拠点となる活動をされています。
こちらでは主に、寄付金の受け渡しと「今後の取り組み」についての打ち合わせがメインとなりました。
今後、何十年かかるか検討もつかない中、末長い応援を続け
る為には、官と民、NPOが手を組んでそれぞれがなるべく体力を
消耗せずに補い合って前に進める関係が理想。
そうしたプロジェクトも始動させていくとの事で、その一助を弊社
でも担えないかという濃密なミーティングが行われました。
「浪江が元に戻るには、あと何十年もかかるでしょうが、助けて
もらうばかりではなく、御社の世界一になるという夢に浪江町も
手伝って、お互いの力になっていければ」とおっしゃっていた
神長倉理事長の言葉に、弊社一同、頭が下がる
思いでした。
今回のキャンペーンでは、映画「グスコーブドリの伝記」の「ボクにもできることが、きっとある。」というキャッチコピーの通り、「ドンドンアップにもできることが、きっとある」と実感することができました。
また、助成金の多くが「用途を明確化」させることを条件としている中、「活動資金」として用途を限定させない弊社の寄付金が、それぞれの団体にとっては非常に重要な役割を果たしてくれたことを、ここに報告致します。
ドンドンアップでは、これからも東北大震災からの復興を応援し続けます。